パレット


現代の画壇は多様な様式の絵画が混沌としています。

日本が洋画を西洋から取り入れての歴史はまだ浅く、その表現は完成されていません。

新しい絵画の動きを学び盛んに取り入れた画壇は今を見る時、その活気を感じる事が出来ません。

洋画の世界は、素材である油絵の具を使いこなす事が難しいのです。乾きの遅い絵の具と格闘し表現していく画家はその困難さを回避する表現へと向かうようになっていくようです。

強靭な油絵の具の性質を使いこなし自由な表現が完成されるような努力が画家に求められています。

 私は八ケ岳にアトリエを構え、30年に及び油絵具を研究してきました。どうしたら眼の前に展開する自然の感動をキャンバスに留める事が出来るかと試行錯誤を重ねて来ました。ようやくその方法が

解明出来たような気がします。まだまだこれからですが、自然の感動を皆さんに伝えて行く事が私の仕事ですので、この自然を描いた作品を観て頂ければ嬉しく思います。

 

                                   小出 健治